Role: DFX supervisor
Responsibility:
・Supervision, review for the asset except hero acting character and develop the crowd robots
・Establish the workflow, publish and render pipeline with Pipeline Supervisor
・Oversees CG and Comp Supervisors and leads the evaluation of the technical requirements and potential approaches for the show and show set-up, responsible for ensuring the determination of an optimal course to achieve the client and VFX Supervisor’s vision
・Partners with Digital Producer to lead ongoing staffing discussions and ensures limited resources are effectively tasked by matching artist skill set to assignment; identifies cross utilization opportunities whenever possible
VFX Production credits: Digital Domain
CLIENT : Netflix
Director : Anthony and Joe Russo
久し振りのHPの更新になりました。
今回はSimon Stålenhag (シモン・ストーレンハーグ)のグラフィックノベルを基にした、アメリカのSFアドベンチャー映画Electric Stateの紹介です。
この映画を担当する何年も前に、Brnes & Nobleだったと思うのですが、偶然原作を手に取る機会がありました。原作ではVR装置「ニューラル・キャスティング」によって多くの人々が仮想現実に依存し、荒廃してしまったアメリカを描いているのですが、個人的に印象的だったのは、ストーリーよりもむしろ、その独特なイラストの数々でした。アメリカをドライブしているとよく目にする一般的なアメリカの風景と、壊れて機能を停止した独特なデザインの巨大ロボットが融合した世界観は、この手のビジュアルを仕事上よく目にする僕の目にもとても印象的に映り、映画を担当できることになってとてもラッキーだと思いました。一本の映画の完成に一年以上を費やすことも多いのですが、必ずしも興味のある作品ばかり担当できるわけではありません。この作品には2年近くを要したこともあるんですが、その時間をとても楽しんで制作にあたれたことは、本当に幸運でした。
この作品で僕が主に担当したのは、プロジェクト全体のワークフローの構築、技術的に足りない部分のディベロップやリソースの管理はもとより、数十体のロボットを含む大量のヒーローアセットの準備、DDでは使ったことのなかった群衆ソフトウェアを使用してロボットの群衆を作成したりと、2年間フルに様々なことにチャレンジしました。チームにもスケジュールにも恵まれ、普段のプロジェクトでは技術的に困難な内容も、比較的余裕を持って完成させることが出来たと感じています。出来上がった映像を見ても、派手さはないものの技術的な余裕が随所に表れており、とても落ち着いて鑑賞することが出来ました。これは僕のような技術者にとってとても大切なことです。技術的に困難だったことが絵に表れてしまっては、視聴者がストーリーに入り込むのが困難になるからですが、作品によっては残念ながらそこまで追い込めないことも多々あります。その点で、この作品は後悔のない仕上がりになりました。